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電子回路とかアマチュア無線機の修理とか

MKY-440B 修理と28MHz 化

オークションでジャンク扱い、リサイクルショップからの出品で、入札も少なめで落札。

 

届いてチェックすると、

 Sメーターが壊れて振れない

 パワー出ない

 

開けてみたらなんか見覚えのある基板(Uniden PC-959AB)。

なんかMC-3000の120ch機に似てる(実際そうでした)。

バンド水晶が2個取り付けてあって、1ヵ所水晶の未実装があり120ch化も可能なんだろう。

 

写真は改造中。空きに水晶を追加し、配線を変更。真ん中の水晶は未接続。

※改造中。 手前がサトー電気の16.61MHz、奥にFCC-2階、その奥にFCC-1階

 

IC-R1でモニターしてみるとちゃんと電波は出ていて、ドライバー段辺りを触るとIC-R1のSメーターが振れるので、ドライバー段に何かありそうといじってるうちにパワーが出でてきた。

パターンを見るとはんだが外れているので再はんだ。

他の所も気になるので、基板全体のはんだをやり直してみたら動き始めたので、定番の16.61MHz水晶を突っ込んで28MHzへ。

 

PLLを調整して、ドライバー段のフィルターをいじって、10W近く出てきたので仕上げと思った頃、またパワーが出なくなった。

PLLのアンロックかなと真面目にロック電圧みたりしたが異常なし。

オシロで信号の流れを調べるとまたドライバー段で止まってる。

しばらくするとパワーが出たりするので、Trを疑いトランジスタチェッカーに乗せるとhfeは37のトランジスタ(2sc1973)。

取り付けるとパワーが出るが今度は一瞬だけ。

電源を入れているだけでしばらくすると触れないくらい熱くなってる。

これが壊れかけてた

このトランジスタは持って無いので、なんか代わりがないかと部品を探すと2sc2086が出てきた。

特性は似てるけど足の生え方と流せる電流がやや少ない。

付け替えるとちゃんとパワーが出た。

これで終わりと思っていたが、嫌な予感がしてトランジスタを触るとかなりの発熱。

これも電源入れてるだけで発熱している。

 

そのまま置き換えはダメだろうとは思ってたけど。

 

手持ちの回路図がこんな状態で定数がはっきり見えないけど、エミッタとGND間の抵抗は12Ωが実装されていた。

(あとでMC-3000と比較したら、2sc1973が2sc496-Y、エミッタとGND間抵抗が15Ω。)

12Ωの抵抗の所の電圧を見ると、発熱とともに電圧が上がっていき、さらに発熱がすすむという悪循環中で2V近くまで上がってた。

放熱板をつけようかと思ったが、回路側のトラブルがないか調べて判断することにして、抵抗値などを確認するが問題なさそう。

ベースとGND間の抵抗が10kΩ実装で、ここを1kΩにしてみたが発熱は変わらず。

エミッタとGND間の抵抗値を変えて対応するが、何度か抵抗値を変えていくうちに20Ω付近が良さそうだったので、47Ωをパラ付けして様子を見ると、少し送信出力が落ちたが、発熱も無く送信時だけ電流が流れるようになった。

 

 

水晶を変えたがFずれしているので、パターンカットしてサトー電気の40pFトリマーを取り付けて調整。

 

Sメーターは手持ちの別機種未使用品を加工流用して交換。

スピーカーも壊れたので交換、直径77mmの標準的なスピーカーを留め具で固定。

 

パラフィンがケースに付着してるが???。

どうやら熱でパラフィンが溶けて、ケースへ滴り落ちたようだった。

パラフィンが原因でPLLが止まることが多いユニデン機なので、除去の手間は省けたけど相当ひどい環境に置いてあったんだろう。

 

 

パラフィンが溶け落ちて基板からケースへ落ちた形跡

 

 

 

受信はノイズを聴きながらRF初段とMix段を調整。

スプリアスとかS振れなんかは測定器を出して再調整だな。

 

MC-3000と比較すると、コイルが1個減らされてたり、今回のドライバー段トランジスタ変更で放熱板は無かったりと、細かなところでコストダウンが図られているようだった。

ダミーロードで送信してモニターすると、結構深めな変調がかかってた。

MC-3000/5000より安く出品されていることが多いので、改造の入門にはいい無線機です。