ma2.electronのブログ

電子回路とかアマチュア無線機の修理とか

IC820 UHF パワー出ない(考察)

今回は、考察に近い内容です。

 

ずいぶん前にIC820Dの不動品をもらい、修理しようとしてみた。

不動機は、バックアップ電池交換後UHF側でパワーが出なくなったとのこと。

不動機を送信させると、近くに置いた無線機からUHFの信号が聞こえたので、PA系のトラブルというのは判明した。

 

回路図をネットで見つけて調べると、RF-B基板で信号が増幅されていない。

バンド切り替えがUHF側でTX時に9VはRF-B基板までは来ていて、RF-Bの広帯域アンプICが動いていないように見えた。

基板の裏側のUMD3(デジトラ)の動きが怪しく取りよせて交換してみると、交換直後のデジトラの動作は正しいが、送信させた途端に壊れる?。

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IC-820 RF-B基板

何度か交換しているうちにパターンが剥がれた。

スルーホールがパッドのすぐ横にあり、ジャンパーして補修が厳しいので、ここで諦めた。

 

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この9Vはどこからきているかというと、フロントパネルのマイコン横のデジトラから送られて、フレキでRF-B基板へ差し込まれる。

 

ジャンク機を買ってきたら、基板が変わっていてRF-Bのコネクターピン数が変わっていたが、気づかず差し込みなんか焦げ臭いにおいがフロントパネルから出た。

上に書いたフロントパネルのデジトラが焼けた。

 

それから放置したままにしているが、昨年末にIC820Dの修理を頼まれた。

話を聞けば、バックアップ電離を交換したらUHFでパワーが出なくなった、V/UHFアンロック、液晶不良。

液晶はどうしようもないので放置、アンロックは-5V系のDC-DCコンバーター回路の電解コンの液漏れ。

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DC-DCのシールドケースを取り外した状態。

UHFでパワーが出なくなったのは、フロントパネルのデジトラ焼け。

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焼けたトランジスタ 白いのは放熱グリス。 なんでこんな所に?

しっかり焼けて、パターンも無くなってました。

 

 

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Q12が焼けていた

 

 

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パターン修正

IC820のバックアップ電池を交換する時に、RF-AとRF-B基板のそれぞれ8ピンくらいのフラットケーブルを外す方がやり易いように見える。

ただ、斜めに挿し込み易いようで、この時にGNDとMT9B(メイン側送信時9V)がショートしたのかな?と予想している。

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J8がIC820の最終型(?)ではピン数が変わり、IC821と同じ8ピンになってます。

基板のシルク「B4016C」以外は注意。

 

IC-23 修理

地元の電子部品屋のジャンク市があり、別件で部品購入の予定があったついでにジャンクを漁ってみたら、IC-23を発見したので保護した。(税別2200円)

 

どこかの閉局された方の持ち物だろうか、他にもトリオTR7200の箱付きとかマランツC7800、八重洲FT720Uなどが出ていたが、その横に小さな段ボール箱があり、その中に特定小電力と一緒に置いてあった。

付属品は、自作のラジアル付きロッドアンテナと乾電池パック。

 

持ち帰り、動けばラッキーかなと思いながら、電池パックに電池を詰め始めると、1ヵ所端子が折れと液漏れでの腐食多数。

手持ちの電池パックに変えて電池を詰めて電源ONすると動いた。

やたらパワーが出るのと、TXランプとバックライトが点灯しない以外はOK。

 

ネットで検索してIC-32のサービスマニュアルを拾い、回路図を見てふたを開けてランプ類の不動原因を調べるうちに動かなくなった。

 

原因はこれ

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フレキのパターン切れ

パターン切れ。

少しいたずらしてみたがダメ。

 

諦めてポリウレタンで繋いでみる。

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ポリウレタンで直接配線

ふたを開けているうちは動いたが、ふたを閉めたら表示が出なくなった。

 

回路図見ながら電圧を追うと、5V系が止まった為と分り、トランジスタを手配したが、このコロナ騒ぎのタイミングで発熱・・・。

2日ほどで熱は下がり、念のため職場も2日休んだ。

 

壊れたトランジスタを交換。

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壊れたのはこれだけじゃなかったけど

 

フレキの修正は無理だし、フレキ単体は手に入りそうになく、意を決して(?)全ピンを手配線することに(28本)。

フラットケーブルでやろうとしたら、少し厚みがあり曲げも硬くてふたが閉まらないのでSHW(より線) AWG32相当2m X 10本入りを買い配線した。

 

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配線中

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配線完了

基板側のコネクターは、ジャンク機が手に入った時の為に残した。

 

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ランプ類復活

 

 

VHFのHiパワーのAPCが効かないのが気になるけど、VHF国際マリンも聞こえて、実用になっている。(本音はもう開けたり閉めたりしたくない)

液晶の偏光シートの劣化が始まりつつあるようで、真ん中あたりの表示が少し見えにくいことがあるけど、良しとした。

 

FT100修理(3)

受信関係の修理が終わったFT100、いろいろと不具合がありまして、都度修理。

 

セレクト用のロータリースイッチのスリップ

メインダイヤルのシャフト抜け(これはミスで壊した)

 

セレクトスイッチは同一型番をマルツで取り寄せ

メインダイヤルのエンコーダーはマルツからも取り寄せ可能ですが、八重洲に在庫があったので、無線機屋に発注して取り寄せ。

 

セレクトスイッチは嫌な予感が的中し、シャフト形状が違うのもが届いた。

八重洲にはもう在庫がない。

 

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上がFT100についていたもの、下は取り寄せ品

 

しかたなく、スイッチの隙間を広げて接点復活材とパーツクリーナーを吹き付け。

完全に治らなかったが、何もしないよりはマシになった。

 

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抜けたシャフト

メインダイヤルのゴムを外そうと引っ張ったらシャフトが抜けて壊しました・・・。

八重洲から取り寄せたメインダイヤルのエンコーダーを丸ごと交換で完了。

ネクターもついているので、もちろん無加工です。

 

CRAIG L-103

ヤフオクでだれも手を付けない回転ずしになってたので、手を出してしまった。

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CRAIG L103

写真は修理が終わった状態だが、手元に来たときは、

 

Sメーター不動、Ch-LEDセグメント切れ

 

手持ちにSメーターと色違いのLEDがあったので交換。

マイクのピン配置がUniden配列だったのをNASA配列に変更。

 

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PLL ICがTC9109で1クリスタル式。

局発追加やら、送受信時のPLL動作の変更やらかなり面倒。

 

受信系の再調整をして終わり。

数日後、LEDの色がしっくりこなかったので、赤色のLEDを取り寄せて再交換。

 

そのうちヤフオクに出てくると思います。

 

 

FT100修理(2)

マルツからダイオードが届き、DAP202から交換してもUHFの感度が悪いまま。

 

メイン基板側にも何かあるとみて回路図と現物を眺める。

 

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メイン回路図

電圧を測ってみると、UHF時に丸を付けた抵抗に電流が流れるが、コイルのところで電圧が無い。

虫眼鏡でよ~~く見たら、抵抗が焼けていた。

1608サイズの150Ω。

手持ちはないし取り寄せるのもなんだかなーと思い、手持ちの2012サイズ330Ωがあるので、無理やり実装してみた。

写真はないので説明しにくいが、近くのパターンも使って斜めに実装した。

すぐ横にリレーがあるのでコテが入りにくくて嫌すぎ。

 

ようやくUHFもまともに受信できるようになった。

 

ほかにもFMラジオ帯やエアーバンドの受信感度も悪いので、おそらく同じようにダイオードか抵抗が死んでいるところがありそうな気がするが、車に積んだ時にわざわざ聞かないのでこのまま放置。

気が向いたら調べることにする。

 

FT100修理(1)

FT100の不具合品をもらいました。

 

パワーが少ない

V・UHFの受信感度が悪い

 

受信感度が悪い原因を探るべく、回路図を見てメイン基板へ直接SGからの信号を入れてみる。

写真の青色の帯があるTMPコネクターつきケーブルを外して、TMPジャックからSGの信号を入れる。

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SGの信号を直接入力

 

VHFはほぼ規格値でで受信でき、UHFは20dBほど悪い。

 

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LPF基板回路図

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なぜかチップコイルが立っている

 

回路図に丸をしたダイオードのVHFへ行く方はオープン、UHFへ行く方はショートで壊れていた。

その近くのチップコイルが何故か外れていた。

コイルは取り付け。(接着剤で固定されているコイルなぜ外れたか不明)

このダイオードの手持ちがないのでマルツへ発注して、応急でDAP202を実装。

 

UHFは相変わらず感度が悪いが、VHFは受信できるようになった。

 

 

ICOM IC-27 VR修理、その後とIC-27(2台目)

先日書いたIC-27は譲って頂いたVRのおかげで、無事に修理が完了しました。

その後、サービスマニュアルも手に入り調整してみたのですが、この頃のICOMサービスマニュアルは、あまり詳細に調整ポイントを書いておらず、製品解説書に近い感じ。

フロントエンドのフィルター調整方法が書かれてない、IF段の調整条件が書かれてないなど・・・・。

過去の経験で「こうなるよな」な感じで再調整してOK(たぶん)。

時々車に積んで使いますが、スキャンの動きがあまり良くない、

 

もう1台、サービスマニュアルが来る前にIC-27が手に入り開腹。

PLLはロックがかかっているようだけど、±100KHzくらいの幅で送受信している。

ロック電圧を見ると調整はできるけど、VCOコア位置が抜けそうなところまで回して規定値になる感じ。

オシロで波形を見ると9Vくらいのパルス状のノイズが乗っている(実はこれは正解)。

あれこれいじっているうちに訳がわからなくなり、絶賛放置しているときにサービスマニュアルが来た。

 

どうやら、VCOへかかるコントロール電圧のローパスフィルター部分の電解コンが死んていたのが原因だったのに、あれこれいじって壊したような結果。

ここの電解コンの耐圧が10Vなので、設計での部品チョイスにも問題ありそうです。

 

1台目は前期型で2台目は後期型でロジック基板が違い、後期型のほうが受信改造後の周波数範囲が広いのですが、フロントエンドは前期型と同じなので、実質的に使えるのは、アマチュアバンドの受信感度を犠牲にしなければ2~3MHzほど。

スペアナとノイズジェネレーターでフィルター特性を見るとそんな感じで、全体的に感度を落としても6MHZくらい。